創る
歌舞伎舞踊振付師
―物創りへのこだわり―
歌舞伎振付師という仕事の基本は、役者の方々に振り(手順)を教えたり、振りを作ったりすることです。
しかし、振付は1つの曲に1つの振りだけというわけではありません。
演じる場所(大きさ)、演じ手、ご覧頂くお客様の層によって 細かく調整をする必要があります。
また、一から創作をする場合には、自分の頭の中で作り上げたものを舞台に乗せることのロマンがあります。
しかし、自分が作り上げる舞台なら、見ているお客様がどう感じるか、
役者がいる舞台なら、役者が動きやすくなるにはどうしたらいいか
また、舞台を創るうえで欠かせない大道具、小道具、衣装、音楽、その他にも多くの事柄を総合的に注視しながら、
客観的な目を持ちつつ、かつ自分の特色がうまく重なり、幕が開いたときほど、気持ちが高揚する瞬間は無いものです。